体験版をプレイして気になったポイントをシナリオ・冬茜トム氏に直撃!! 大正浪漫ミステリーの謎の一端が明らかに…!?
体験版も公開され、発売に向けて期待値が急上昇中の『さくらの雲*スカアレットの恋』(通称「さくレット」)。発売間近の今回は、シナリオを担当した冬茜トム氏にインタビューを敢行。ヒロインのお話や体験版をプレイして気になった点について直撃したぞ。「Hシーンは初回の導入が必見」なんて重要情報も…!? 後半には、意外性たっぷりな終わり方をする体験版のレビューも掲載しているので、そちらも是非チェックを!!
▲明るく楽しく、だけどミステリー感もたっぷりな本作。『アメイジング・グレイス』に続く名作の予感大!!
大正+探偵という組み合わせ然り、帝都=崩壊は様式美に則った結果
──体験版フルバージョンは4話までプレイできます。まだ明かされていない謎も多くあると感じましたが、この4話終了時点でシナリオの何%ほどを消化したことになるのでしょう。
冬茜:25%ほどになります。これが共通ルートにあたり、5章以降は各ヒロインの個別ルートに入っていく形となりますね。
──2・3話には暗号や判じ絵を解くシーンがありました。考えたのは冬茜さんなのでしょうか?
冬茜:はい。自分になります。
──暗号や判じ絵を考えるのは大変でしたか? 楽しかったですか?
冬茜:めちゃくちゃ面倒くさかったです! ただ、どちらもいい感じに着地できたので出来そのものは気に入っています。特に最初の暗号は時代がネックになって司だけだと解がわからず、所長がそばにいて初めて場所が導けるというバランスが好きでした。
▲作中で描かれる謎はなかなか難しい。推理力に自信のある人は独力での謎解きにチャレンジしてみて
──遠子の屋敷の一室のシーンで、壁にかかった額に書かれている文言が度々変わっていました(「恋愛達人相談室」や「にんげんですわ」など)。このディレクションはどなたがされているのでしょう? 狙いなどもあれば教えてください。
冬茜:じ、自分です……。狙いは……大爆笑をドッカンドッカン取るためです……。
▲キャラの掛け合いも面白いけど、背景など細かいところにも笑いの種が隠れてる!!
──4話の急展開に驚きました。前作『アメイジンググレイス』に続き、今回も大災害による都市の崩壊が描かれています。史実かフィクションかの違いはありますが、冬茜さんのシナリオでは「都市の崩壊」がポイントになるという印象があります。なぜ2作続けて「都市の崩壊」を選ばれたのでしょう。理由はありますか?
冬茜:偶然ですね。大正+探偵という組み合わせ然り、様式美に則った結果となります。自分なりに「大正浪漫といえばこう」のような王道があり、その中で帝都=崩壊という乱暴な図式が成立していたためです。前作とは「ちょっと被っちゃったけど、帝都は崩壊するものだし……」くらいの考えでした。全体で見ると4章が特異なだけで、また3章以前のノリに戻るので、作品としては別物なのですが……体験版の〆というタイミングまで寄せる必要はなかったかもしれません(笑)。逆に『さくレット』が先に世に出ていたら『アメイジング・グレイス』はあの形になっていなかったと思います。
▲帝都を襲った大災害。これも司が解決しなければならない“歪み”なのかも…
Hシーンは初回の導入にヒロインそれぞれ個性が出ていて面白いと思います
──ここからはメインヒロインについてお聞かせください。まず、所長はどんな女の子ですか?
冬茜:可愛くも格好よくもある上司です。お金が大好き。
──所長は探偵といいつつ、事件を推理して正解を導き出すのは司の担当という印象です。プレイ前はもっと活躍するのかな…とも思っていたのですが、彼女の探偵としての能力は実際どのくらいなのでしょう?
冬茜:多くの技能を備えていて、推理力以外はかなりの高パラメータになっています。たとえば語学もその一つですね。とにかく探偵以外への適正がずば抜けているのですが、本人はホームズに憧れているので迷探偵になってしまうといいますか……。
──彼女はシャーロックホームズ好きとのことですが、キャラメイクの際にホームズ要素を盛り込みましたか?
冬茜:そうですね。定番の探偵服や鹿撃ち帽、バリツやキャンディなどは直球にそんな要素です。本作は彼女の性格とビジュアルが真っ先に成立していた要素で、イメージばっちりのデザインに仕上げていただきました。
▲推理力はイマイチかもだが、デマカセがすぐ出てくるので地頭は良さそう
──遠子はどんな女の子ですか?
冬茜:お嬢様なのですが、好奇心旺盛でよく駄々もこねる子。
──メインヒロイン4人の中で、遠子は司のことを一番見透かしている印象を持ちました。ただのお嬢様ではないと思ったのですが、プレイする際はどんなところに注目すると彼女の魅力ををより楽しめますか?
冬茜:遠子は勘が鋭いですね! 彼女はヒロインの中で最も表情のバリエーションが豊かなので、コロコロ変わる立ち絵を楽しんでもらえると嬉しいかもです。
──体験版のラスト、遠子が怪盗ヘイストを銃で撃つシーンに驚かされました。彼女の物語には、怪盗ヘイストが深く関わってくるのでしょうか?
冬茜:彼女には深く関わってきますね。共通ルートを過ぎるとすぐ突入する謎になると思います。
▲体験版のラストにいきなり登場した衝撃シーン。そんな気配ゼロだったので驚いたぞ!!
──メリッサはどんな女の子ですか?
冬茜:ポーカーフェイスなメイドさん。地味にヒロイン最年少です。
──お風呂でのガールズトークのシーンやお化けが怖いからと添い寝しておっぱいを押し付けてくるなど、体験版パートではお色気担当という印象を受けました。エッチシーンに期待していいですか?
冬茜:お色気担当のつもりはなかったので意外な印象でした。実際メリッサはなかなか淫……可愛いですよ!!
▲メリッサは料理にも注目。ウナギのゼリー寄せは夢に出てきそうな料理だ
──蓮はどんな女の子ですか?
冬茜:当時における等身大の女の子。もちろんヒロインとして映えるようアレンジしていますが、現代人とは大きく離れた価値観を持つ子ですね。
──体験版パートの蓮はいちばん普通の女の子で、キャラも深堀りされていない印象を持ちました。司との関係も、他の3ヒロインと比べて恋愛色が強いと感じます。逆に作品の中では異質な感じがしますが、この先の蓮は司にとってどんな存在になっていくのでしょう?
冬茜:その印象で間違っていないですね。蓮ルートは「恋」をテーマとして進行します。彼女に対しては司も(探偵でなく)一人の男として向き合わねばならず、また未来人であることもいずれ告げなくてはならない……というのがポイントかなと。所長なんかは全編通してずっと所長ですが、蓮は蓮ルートに入らないと見えない彼女がたくさんいます。
▲この時代の等身大の女の子だという蓮。ルートに入らないと見れない一面というのが気になるぞ!!
──サブキャラも魅力的でした。とくに加藤大尉のインパクトが大きかったです。その名前と大正時代(関東大震災)という点から『帝都物語』を想起しましたが、オマージュやリスペクトがあるのでしょうか?
冬茜:『帝都物語』のオマージュですね。何か理由はあるのでしょうか……。
──加藤大尉以外にも注目してほしいサブキャラがいたら、理由とともに教えてください。
冬茜:万斎ですかね。基本どのキャラと絡んでも面白いやつです。後はリーメイも、かなり当初の想定とは違うキャラに育っていったので楽しみな面もあります。
──個人的には第4話の雪葉の豹変には驚かされましたが、ほかにも体験版部分で見せる顔とは違う一面を持ったキャラがいるのでしょうか?
冬茜:多少いますね……。
▲体験版にリーメイは顔見せ程度の時間しか出てこない。今後の彼女の行動にも注目だ!!
──エッチシーンについても質問です。体験版では所長との夢の中でのプレイとメリッサたちの入浴シーンが楽しめました。こういうお楽しみシーンは未公開部分にも多くありますか?
冬茜:以降は個別ルートに入っていくので、より親密なシーンが多くなりますね。CGも用意していますよ!!
──本編ではどのくらいのHシーンが用意されているのでしょう?
冬茜:各ヒロイン4シーンずつになります。夢のシーンは含まず(笑)。
──とくに注目してほしいエッチシーンがあれば教えてください。
冬茜:初回の導入でしょうか。それぞれ個性が出ていて面白いと思います。あ、ただ蓮だけは2回目からが……。
▲体験版には本番シーンがなかったので、早く製品版がプレイしたいぞ!!
令和の今だからこそお届けしたい素敵な作品に仕上がりました!!
──最後に、発売を心待ちにしているユーザーへ一言お願いします。
冬茜:百年前と聞いて何を思い浮かべますか? 自分の認識はこの作品を通じて大きくアップデートされました。彼女たちとの触れ合いはきっと、皆さんにとっても得難い体験になると信じています。令和の今だからこそお届けしたい素敵な作品に仕上がったので、ぜひ没頭してみてください!!
▲体験版のラストはけっこう衝撃的。ぜひ続きがプレイしたくなるぞ!!
共通ルートとなる4話までプレイできる体験版だが、すでにここから波乱の展開が!?
ここからは体験版レビューをお届け。ここでプレイできるのは共通ルートとなる第4話までだが、所長の迷探偵ぶりや、史実とは異なる事件の発生など、すでに予想外な展開が目白押しなのだ。体験版部分はゲーム全体の4分の1らしいので、この先さらに大ボリュームなシナリオと予想外の展開が待っていると思うとワクワクが止まらない…!!
▲急に眼がくらんだかと思えば、気付くと現代から大正時代にタイムスリップしていた司の横には見知らぬ少女が…
▲1~3話は探偵事務所に舞い込んでくる依頼の解決が中心。謎解きもなかなか面白い!!
気付けばそこは大正時代!! どうしてタイムスリップしたのか、元の時代に戻る方法はあるのか…!?
現代から大正にタイムスリップした司のすぐ横には、所長の姿が。何とか彼女の信頼をゲットした司は、彼女の探偵事務所に居候しながら未来に戻る方法を探ることに。探偵稼業で知り合ったヒロインの遠子、メリッサ、蓮も可愛くて目が離せないが、前触れもなく姿を現す謎の少女・アララギ、タイムマシンを開発中という万斎あたりも気になる存在だ…!!
▲100年後から来たって言っても普通は信じられないよね。信頼を勝ち取り助手になるには役に立つところを見せないと
▲事務所の依頼人として現れる遠子とメリッサ。2人に出会ったばかりの所長の目が「金ヅル発見!!」的にキラキラ輝いていたのが印象的
▲良い印象ゼロの加藤大尉とのファーストコンタクト。司が未来人というのも受け入れているようだが、その理由は…?
史実と異なる事件が発生!! この“歪み”を解決すれば司は現代に戻れる…?
司の前に現れたアララギによると、史実と異なる事件が起きると生じる“歪み”をすべて正さない限り、司は現代に帰れないのだとか。探偵事務所に舞い込む以来の多くは“歪み”に関係ある事件なので、それを解決だ。美術館の展示物を怪盗から守ったり、遠子の屋敷で起きる怪現象を解決したりと、冴えわたる司たちの推理を読むとスカッとした気持ちになるぞ。
▲事件解決に協力してくれる心強い仲間たち。彼らとの絆は大切にしたい
▲遠子の屋敷で起きた事件を調査中、お風呂でガールズトークが発生。お色気シーンは本編にもたくさんあるそうなので、今から楽しみだ♪
▲怪盗ヘイストは予告状とは違う品を盗んでいったが、これは怪盗に裏をかかれたのか…?
第4話は、それまでと様相が一変!! 史実より早く発生した関東大震災が意味することは? 司はこの“歪み”を正せるのか…!?
3話までは和気あいあいとした雰囲気だったが、4話の途中で起きた大地震のせいで様相が一変。1923年9月1日に起きるはずの関東大震災が発生するのだ。しかも、加藤大尉が混乱する帝都住民を扇動するような行動をとったり、親しくなったと思っていた雪葉が所長に刃を向けてきたりと、予想外の出来事が連続発生!!
▲司たちが事件解決していた裏で、実は彼らの知らぬところで大きな“歪み”が発生。これも解決しないといけなかったのか…?
▲帝都を襲った災害をきっかけに職業婦人だった雪葉の様子が一変。新聞記者のマイと共に、実は加藤大尉のシンパだったと判明する
▲司の前に現れたアララギが差し出した一枚の紙。これは別の司が描いたものだと判明するが、その意味するところは…?
体験版は本当に物語の序章に過ぎない!! 帝都を大地震から守るため、司は再び“歪み”を正すための行動を起こす!?
アララギに、帝都の崩壊が“歪み”を抑えきれなかった結果と教えられた司。ここで、いろいろな事実がアララギの口から語られることに。人知を超える領域の話を聞かされた司は、この先も“歪み”を正すために行動するのだろうか…というところで体験版は終了。続きが気になる終わり方すぎる!!
▲“平行世界の観測者”を名乗るアララギに導かれ、司は再びあの日からやり直す…!?
『さくらの雲*スカアレットの恋』OPデモムービー
さくらの雲*スカアレットの恋
きゃっべつそふと
2020年9月25日発売予定
AVG、DVD、18禁、Win8.1/10
通常版:9,800円、抱き枕カバー付き限定版:20,800円
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:梱枝りこ、よねぞう(サブキャラクター原画)、しらたま(SD原画)
シナリオ:冬茜トム