制作時のキャラ設定ラフを原画・霜降氏&ぺれっと氏のコメント付きで特別公開
Laplacianの過去3作品と同じ世界観を舞台に壮大な物語が展開するSF・AVG『白昼夢の青写真』。そのシナリオの素晴らしさが発売後に反響を呼び、発売後の現在も口コミでヒットを続けている話題作だ。現在発売中のBugBug1月号「美しょゲー お蔵出しミュージアム」コーナーでは、そんな本作のキャラ設定ラフ等のマル秘設定資料を、原画担当・霜降氏&ぺれっと氏のコメントと企画・シナリオの緒乃ワサビ氏への直撃インタビュー付きで大公開。今回はその内容をダイジェストで紹介するぞ!!
▲ラフ段階の凛には眼鏡を掛けた案も。これはこれで可愛くてイイね!!
過去作品からは血縁関係にあるキャラクターも居た!?
──その『白昼夢の青写真』からは各作品への繋がりも感じました。時系列なども整えて書かれたのでしょうか?
緒乃:『未来ラジオと人工鳩』など年代を明記した作品はありますが、ほかの作品も大まかな年代は考えていて、順番でいうと『白昼夢の青写真 CASE-2』(1595)→『ニュートンと林檎の樹』(1687)→『白昼夢の青写真 CASE-1』&『キミトユメミシ』(2016)→『工口倫子シリーズ』(2019)→『白昼夢の青写真 CASE-3』&『未来ラジオと人工鳩』(2061)→『白昼夢の青写真 CASE-0』(2218~)という並びです。
──予想以上に詳細でした!!
緒乃:…といっても『ニュートンと林檎の樹』や今回の『CASE-2』は歴史的な正しさよりも物語的に映えることを優先しているので、それほど時代感は重視していません。それっぽければいいよね、程度です。格好もかなり現代的でしたしね。
──作品をまたいで血縁関係にあるキャラクターもいると聞きましたが…。
緒乃:『未来ラジオ』の月見里家と『工口倫子』シリーズの工口家のことですね。メインヒロインである月見里水雪のおばあちゃんが、工口倫子になります。倫子シリーズは水雪の母である塔子さんが生まれるところでシリーズ完結にもっていこうと決めて企画を立てていました。
──未来ラジオと工口倫子の世界が繋がっていたんですね!?
緒乃:『工口倫子』シリーズといっても、まだ1本しか出していませんけどね(笑)。
▲オリヴィアの初期ラフ案はお淑やかなお姫様だったとの事。ドレス案はモノクロコーナーなのでカラーでお見せ出来ないのが残念です!!
Hシーンは当初の予定から4割もカットされていた!!
──ところで『白昼夢の青写真』はそのえげつないボリュームに驚かされましたが、製作中に苦労した点などはありましたか?
緒乃:ボリュームに関してはおそらくスクリプトを組んでくれた人達が作業量の多さに苦労したと思います。僕もマスターアップ間際には表情とBGMをつけていく作業に入りましたが、やってもやっても終わらなくてビビりました。執筆に関しては最初から「自分の特性(飽きっぽい)で長尺を書くならこの方法しかない」と、異なる世界観を並べてそれを最後に力業で一本化すると決めていたので、尺の割にはすんなり書けた気がします。時間はかかりましたが、この作品を一人で書ききったことが書き手としての自信にも繋がったし、やってよかったです。
──発売日が延びたのも納得のボリュームでした。ところで泣く泣く削ったエピソードやシーンなどはあったのでしょうか?
緒乃:通常シーンでカットしたシーンは1シーンもありませんが、そのかわりエッチシーンは当初の4割はカットしました。
──4割もですか!?
緒乃:全ヒロイン前戯のシーンが半分カットになっているし、サブキャラのお遊びのエッチシーンはオールカットです。すもものパイズリシーンは声まで収録したけど絵が間に合わないからカット。凛のクンニのシーンは彩色までしてもらったけど、服装の指示をミスってたのでカット。内情をお知らせしたら怒られそうなほど、エロいシーンはカットしまくりました。
▲初期のすももはちょっと幼いイメージ。やっぱりデコを出していた方がすももらしくてイイ感じ!?
神代さん春乃さん二人のキャスティングありきの企画
──そして驚いたのがメインヒロインを神代岬さん、そしてサブヒロインなどを春乃いろはさんで統一していた点。こちらは最初から狙っていたギミックだったのでしょうか?
緒乃:今作はお二人のキャスティングありきの企画で、オファーを断られたらボツにつもりでした。『白昼夢の青写真』の主役4役を任せるなら神代さんしかいないと思っていたし、春乃さんは少ない演者さんに兼役で演じてもらう企画を練り始めるキッカケになった演者さんだったので。
──アフレコ中も印象的なエピソードがあったそうですね?
緒乃:印象的だったのは神代さんが『CASE-1の主人公がクソ過ぎる』と、休憩時間やお芝居とお芝居の間にぼやきまくってくれたことです。そのけなしっぷりが面白かったので、凛の足コキシーンは急遽書き直しました。ちなみに凛の暴言の中には神代さん自身の言葉も一部入っています(笑)。春乃さんは出雲の収録のとき、休憩中もずっと押し黙ってらっしゃったことが印象的でしたね。あとで聞いたところ、「出雲の気持ちを保っていないと、物語に引っ張られて迷子になりそうだったから」とおっしゃっていました。そんなお二人だけでなく、今回の収録では出演してくれた演者さんがみんな物語の力を感じてくれていたのも印象的でした。
▲出雲の衣装案いろいろ。よりメカメカしいデザインもあったようだ
緒乃ワサビ氏が一番気に入っているヒロインは!?
───祥子の名前もでましたが、いろいろな反響がある中でファンからの人気が高かったヒロインは誰だと感じていますか?
緒乃:今作は圧倒的に世凪じゃないかなと。いってしまえば全キャラ世凪ですしね。次点はおそらく凛じゃないでしょうか? エゴサでは凛への叫びが多い気がします。でも、すももは健全なファンが多そうなので、人気投票をしたら意外にすももかもしれません。オリヴィアは一番手にはならないタイプなのかも。
──緒乃さんが一番気に入っているヒロインは?
緒乃:すももですね。付き合うのも結婚するのも絶対すもも。オリヴィアにも憧れるけど、あのタイプは3ヶ月に一回飲みに行くだけでいいかな…。凛はいやです。怖いし、わがままそうだし、ああいうプライド高い子にはどうも完璧を求めてしまう気がして…。完璧を求めてしまう相手のことは、人としては好きになれないです。例えばすももなら歯に青のりがついていても笑って指摘できるし、それを受けた彼女も「マジでー!」とか笑いそうだけど、凛には指摘すらできない。結局誰にも指摘してもらえず、歯に青のりが付いたまますましている凛を見たときに一気に恋心が冷めてしまいそう。オリヴィアもちょっとそういうところがある。酒に飲まれるという弱点はあるけど、逆ギレしそう。しっかり弱みを見せてくれるのはすももでしょう。ちなみに梓姫さんはたぶん、歯に青のりがついていたら赤面してコソコソとるタイプ。人によってはそれをかわいいと思うかもしれないけど、個人的にはすももタイプの子が好きです。
──梓姫さんの名前まで出てきたのに世凪の名前は出てきませんね?
緒乃:世凪は女神さまなので、そういえばそういう対象としてあんまり見ていないなぁ。彼女は海斗の相手という意識が強いのかもしれない。でも、すももは好き。ずっと一緒にいたい。
▲原画の霜降氏&ぺれっと氏に思い入れが深いシーンを聞いたコメントも掲載しているぞ
BugBug1月号で『白昼夢の青写真』のマル秘設定資料の全貌をチェック!!
誌面では今回抜粋した以外にも、色々インタビューで直撃しているぞ。特に遊馬編を締め切り前日に超特急で仕上げたエピソードは、その理由もドラマティックで必読。もちろん設定資料も、他キャラクターのデザインラフや原画家のコメントなど、まだまだ沢山掲載しているのだ。詳しくは絶賛発売中のBugBug1月号を購入してチェックしよう!!
▲誌面では6Pで特集しているぞ。緒乃ワサビ氏へのインタビューも2Pを使った大ボリュームで掲載しているのだ
【白昼夢の青写真】CASE-0オープニングテーマ『Into Gray』
【白昼夢の青写真】CASE-1オープニングテーマ『クラムボン』
【白昼夢の青写真】CASE-2オープニングテーマ『冷たい壁のむこうに』
【白昼夢の青写真】CASE-3オープニングテーマ『恋するキリギリス』
▲CASE-0から3まで4つのオープニングが楽しめる本作。それぞれの物語に合わせて曲の雰囲気も全て異なっているのだ
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